AGA治療薬のジェネリック医薬品の種類

薄毛に悩む20代から30代にかけての男性の多くがAGAの脱毛症だと言われています。AGAの特徴は遺伝子の影響を受けている事、遺伝子の影響により体内ホルモンと酵素が結合し、脱毛を促す強制脱毛ホルモンが抜け毛を増加させると言った特徴を持ちます。そのため、AGA治療薬にはプロペシアと言う酵素を阻害する作用を持つ医薬品が有効だと言われているのです。体内ホルモンと言うのはテストステロンと言う男性ホルモンであり、この体内ホルモンが5α-還元酵素と結合してしまうと毛周期を乱すDHTと言う男性ホルモンに変換されてしまうのです。DHTは成長サイクルを短縮させてしまう作用を持つ男性ホルモンで、成長過程の毛髪を数か月間で抜け毛へと変えてしまうと言った特徴があります。髪の毛が生えて来ても、DHTが作用する事で脱毛を促すため、薄くなった部分は徐々に広がってしまい、頭頂部が丸い形に薄くなるO字型薄毛、額の生え際が後退するM字薄毛と言ったAGA特有の薄毛が生じる事になります。

プロペシアはテストステロンと結合する性質を持つ5α-還元酵素を阻害する作用がありますが、プロペシアの主成分は前立腺肥大症の治療薬でもあるフィナステリドが有効成分になっており、フィナステリドは5α-還元酵素を阻害する作用がある医薬品です。フィナステリドを利用する事で、前立腺肥大症の治療としての効果を持つ他、AGA治療薬の特効薬として有効であると言われているのです。因みに、AGA治療には日本皮膚科学会が策定を行った男性型脱毛症ガイドラインがありますが、このガイドラインの中ではプロペシアと言う医薬品の名称は登場しないのですが、フィナステリドと言う医薬品名は推奨レベルが「A」の強く勧められると言うランクになっており、AGA治療薬としての有効性がある事を証明しています。AGA治療を行う専門病院ではプロペシアを処方すると同時にミノキシジルと言う医薬品も併用して処方するのが特徴です。ミノキシジルは血管を広げる作用を持つ医薬品で、元々は高血圧症の治療薬として処方が行われているものです。血管を広げる事で、毛母細胞組織に栄養を送りやすくし、髪の毛が生えて来た段階で栄養を髪の毛の送りこみ、育毛効果を期待出来ると言う医薬品がミノキシジルになります。プロペシアは5α-還元酵素を阻害すると同時に発毛を促す作用がある医薬品でもあり、ミノキシジルと併用する事で発毛ならびに育毛効果を期待出来るというメリットがあります。尚、AGAは脱毛症と言う一つの症状であり、病気ではない事からも治療費と言うのは自由診療扱い、健康保険が適用されないため、費用負担は全額支払う必要があります。

ジェネリック医薬品は医薬品の特許が切れたものを、先発医薬品メーカー以外が製造販売を行っている医薬品であり、同一の効果を持つと同時に薬の価格が安いと言った特徴を持ちます。フィナステリドは特許が切れている医薬品でもあり、フィナステリドのジェネリック医薬品としてフィンペシア、プロスカー、フィンカー、そしてカークランドと言った医薬品が製造販売されています。また、ミノキシジルにおいてもミノキシジルタブレットと言った医薬品があります。ミノキシジルタブレットはミノキシジルの有効成分を含む医薬品をタブレットにした服用するタイプの医薬品で、ミノキシジルは薄くなった部分に塗布する事で血管拡張作用を期待出来ると言った特徴を持ちます。そのため、ミノキシジルタブレットは服用する事で全身に対して作用を促すため、ミノキシジルの副作用の一つでもある多毛症と言った作用が生じやすいと言った特徴を持つ医薬品です。

AGA治療薬の新薬ザガーロとプロペシアの違いは

男性特有のAGAという疾患では、進行性の薄毛や脱毛が起こって審美的な面でコンプレックスに悩む患者が多く、現在では美容整形外科や発毛に関する治療に特化した男性向けのクリニックで専門的な治療が行われており、主に治療薬を使いながら経過を見ていくという方法が一般的です。治療薬の代表としてはプロペシアが挙げられ、AGA治療における処方薬の選択は事実上この薬品が独占している状態が長く続いていましたが、2016年にザガーロと呼ばれる新薬が登場して効果の高さから注目を集めており、従来のメインの治療薬であるプロペシアとどのような違いがあるのかを理解したうえで使用することが推奨されています。これら2種類の処方薬は作用の仕方と効果の大きさの面で大きく異なりますが、服用してはいけない方や副作用の特徴が共通しており、それぞれのメリットと共通点について詳しく解説します。

 

従来から使われていたMSDという製薬会社が発売しているプロペシアは、AGAの原因となる5リダクターゼⅡ型という物質の増加を阻害する働きを持ち、字面通りⅡ型阻害薬と呼ばれて開発以来しっかりと効果が出る唯一の処方薬として用いられてきた一方、使用している方の6割前後が効果を得られないことがあったため、新薬の開発が急がれていたという背景もあり、AGAのもう一つの原因となる物質のⅠ型も抑制できるⅠ型Ⅱ型阻害薬に分類されるザガーロがグラクソ・スミスクライン社を発売元として登場しました。脱毛の原因となる2つの物質を抑制できるという点で、1つしか抑制できないMSD社の薬品に比べてグラクソ・スミスクライン社の開発した薬品は効果の点で優れているということが分かり、実験においてもザガーロの効果が圧倒的に勝っていて、MSD社が自社の薬品の効果をあくまでも脱毛の進行を遅延させるという表現に留めているのに対し、グラクソ・スミスクライン社は脱毛の原因となる物質をしっかりと抑制することを明記しています。
このように効果が従来の薬品より大きいことが分かっているAGAの新薬ですが、従来のMSD社の薬品と同じような副作用を持っています。いずれの薬も5リダクターゼⅡ型という物質を抑制しますが、この方法は5α-還元酵素という前立腺肥大症や前立腺癌の治療においても用いられることがある方法で、1990年代から2000年代初頭にかけて長期的で大規模な実験が行われ、前立腺の大きさが縮小するという効果は見られたものの、同時に肥大症の原因となる要因や癌細胞の中でも悪影響を及ぼす力が大きいものだけが集中的に残ってしまうという結果が出ました。その後、同じ物質を含むものの異なる加工法を施した薬品では前立腺肥大症などの疾患に対して効果が見られることが分かりましたが、前立腺の縮小は男性ホルモンの低下を生み出すため、性欲の著しい減退やEDを引き起こす可能性があることも分かっており、MSD社もグラクソ・スミスクライン社も男性ホルモンの分泌低下による諸症状を副作用として明示しています。このことから、女性はもともと男性ホルモンが少ないため、服用するとホルモンバランスが大きく崩れる可能性が高く、脱毛症に悩んでいても女性においては投与が禁止されている薬品で、20歳未満だと身体の発達に与える影響も考慮されて服用が禁忌となっています。

 

以上のように、ザガーロはプロペシアと比べてAGAの原因となる2つの物質を効率的に抑制し、より効果の大きい処方薬であると言えるため、これからのAGA治療のメインとなっていくことが考えられますが、男性ホルモンへの作用があるため、副作用を理解したうえで医師の指導のもと慎重に使う必要があるという従来の薬品との共通点も持つAGAの治療薬であることが分かります。